比田井天来・小琴門流「金子卓義とその教えを受けた書家達」
平成28年10月1日(土)~11月6日(日)
長野県佐久市 天来記念館にて
秋の気配も漂ってまいりました今日この頃、空気も澄み、山々に囲まれ温泉も豊かな長野県佐久市にて行われる書道展へお出かけになりませんか?長野新幹線にて東京から佐久平まで1時間20分ほど。日帰りも十分大丈夫ですね。
2006年3月63歳にて他界された師、金子卓義の遺作の展示と私含めその教えを受けてきた弟子達の書道展です。
私が書の道を志して大学で専門的に学び始めた大学一年生の時、子供の頃より師事していた先生から縁あってご紹介いただき金子卓義先生に入門することとなりました。先生は、書道研究・洪鳳社を立ち上げ門人の育成に心血を注ぎ、さらに将来の書道界で活躍できるようにと学生を集めて洪鳳社学生部をつくられ並々ならぬご指導を賜りました。
先生の書は、師であり父である金子鷗亭を模倣することなく独自の世界観をもち続けていました。師に追随することなく自分の書を創り上げること、これこそが比田井天来ー金子鷗亭ー金子卓義と脈々と受け継がれた教えの核となるところです。
また、先生は自分のことや自分の社中のことよりもまず書道界全体のことを常に考え、書壇を俯瞰する鋭敏な眼をお持ちでした。
先生の早すぎる死は、書道界全体の大切な指針を失ってしまったも同然だったのです。
あれから10年以上経ちました。師を失くした我々弟子達は、右往左往、試行錯誤を繰り返しながらも、今も決して師の教えを忘れはしません。
未熟ながらも洪鳳社の一員としてこの展覧会の末席に加えさせていただけることを光栄に思います。